2009年12月13日日曜日

ISCAR Asia2010(第2回大会)・DEE特別大会(共催)のご案内

来年早々、1月4日に行われるISCAR, Asia第2回大会の案内です。今回の大会テーマは「リゾーム的社会における新しい生と学習のネットワークの可視化とデザイン」です。

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ISCAR, Asia第2回大会は、このたびDEE(認知科学会「教育環境のデザイン研究分科会」)との共催となりました。参加費についてはISCAR会員、DEE会員は無料です。下記の要領でISCAR Asia2010(第2回大会)・DEE特別大会(共催)を開催しますので、ふるってご参加ください。このお知らせは転送、転載、自由です。

ISCAR Asia代表:茂呂雄二(筑波大学)・事務局:朴東燮(釜山大学校)
DEE主査 有元典文(横浜国立大学)・事務局 岡部大介(東京都市大学)

*ISCARは、International Society for Cultural and Activity Researchの略称です。ISCAR本体の大会は、2011年9月にローマで予定されています。
http://www.iscar.org/
*DEEは日本認知科学会SIG 教育環境のデザイン分科会です。こちらの方にもぜひ参加をお願いします。
http://sigdee.net/

大会テーマ:リゾーム的社会における新しい生と学習のネットワークの可視化とデザイン

日時:2010年1月4日
場所:筑波大学学校教育局(〒112-0012 東京都文京区大塚3-29-1、地下鉄丸ノ内線 茗荷谷駅徒歩3分)
http://www.tsukuba.ac.jp/access/otsuka_access.html
参加費:ISCAR、DEE会員は無料です。そのほかの方からは当日500円を申し受けます。
申込:茂呂までメイルでお願いします。会場狭小のため150人で打ち切りとさせていただきます。
  
問い合せ:茂呂
ymoro@human.tsukuba.ac.jp

大会の趣意
  80年代以降、活動論や状況論が世界的に拡がり始めてから、すでに、20年以上が経過している。活動論、状況論研究は、認知や学習といったことを、個人的な知識・技能の獲得や発達、個人内で完結したアイデンティティの形成ということを超えて、メディア、社会組織、コミュニティといったことを含めて統一的に捉える観点を提供したしかし、80年代以降、私たちを取り巻く時代状況は大きく変化している。一つの大きな時代的変化は、web、モバイルを中心にした新しいソーシャルメディアの開発や使用のひろがりであり、もう一つは、これに関連しているが、活動、実践の多様化および流動化である。
こうした現代の状況は、Engestromの言葉を借りるなら、野火的な活動(wildfire activities)が拡大している時代ということが可能である。野火的な活動とは、分散的で、ローカルな活動やコミュニティが、野火のように、同時に至る所に形成され、ひろがり、相互につながって行くといった現象をさしている。そうしたつながりは、植物の地下茎のよう複雑に、かつ、多様に絡み合ったリゾームのような形状を取っている。こうした野火的な活動の中で、人々は、特定のコミュニティの中でだけで生き、活動を行うだけはなく、様々な場所、コミュニティの間を移動しながら、新たな活動を生み出している。こうした時代状況によって、改めて、活動理論における「移動論」や、状況的学習論やテクノサイエンス研究に由来する境界横断論、多様なコミュニティを移動する軌跡の研究などの議論、研究が着目される。
 思い起こすなら、ヴィゴツキー、バフチン、ベンヤミンが1920年代に遭遇したのは、映画、演劇、小説等の新しいメディア(あるいは従来メディアの転形)の出現が、人々の生活の形式を劇的に変えるという危機的な事態だった。こうした状況にこたえるものが、彼らの仕事であったと考えることもできる。私たちも、いま、そのような、いやそれ以上の変化を、新しいメディア使用に遭遇しつつ経験している。こうした現代社会における野火的な活動やコミュニティの拡がりは、私たちに多くの可能性を示すと同時に多くの社会的問題をもたらし、活動論、社会組織論、学習論、メディア論に解明、解決すべき研究的、実践的課題をつきつけている。例えば、リゾーム社会の源泉である新しいメディアを自分の道具にしながら、かつてなかったような新しい他者の出会い方とつながり方が必要となる。その出会いとつながりは、様々なローカルな場所で、共同的な新しい学習を生み出しつつある。
 今回のISCARは、この新しい生と学習のスタイルをいかに分節化し可視化すればよいのか、を提案しあう。そして、さらに踏み込んで、人々の行なう日常的なデザイン実践に加担して、このリゾーム化の事態をいかに先鋭化できるのかを議論する。(文責 上野・茂呂)

プログラム
午前1 9:00から10:30
セッション1 教師の学びと子どもの学び G501室
      企画発表 宮崎清孝(早稲田大学)
      発表   有元典文(横浜国立大学)
           高屋景一(國學院大學)
セッション2 ・医療現場における新しい学習・発達・ネットワーク G502室
      企画発表 山口悦子(大阪市立大学医学部附属病院)
      発表   原田悦子(法政大学)
      コメント 南部美砂子(はこだて未来大学)
午前2 10:45から12:15           
セッション3 新しいつながりとしてのサブカルチャー G502室
      企画発表 岡部大介(東京都市大学)
           石田喜美(財団法人東京都歴史文化財団 
                東京文化発信プロジェクト室)
           土橋臣吾(法政大学)
      コメント:柳町智治(北海道大学)
セッション4 インターローカリティー:地域社会をつなぐ G501室
        発表 矢守克也(京都大学)
           中村雅子(東京都市大)
           杉浦裕樹(横浜コミュニティ・デザインラボ)
      コメント:加藤文俊(慶應義塾大学環境情報学部)
ラウンドテーブル 韓国社会と日本社会のリゾーム化:今後の共同研究
         へむけて G503室
 参加者:朴東燮 朴智淵 李秉俊 金慧娜 金大現 金惠淑 韓大東
    (釜山大学校)ジェームズ・ワーチ(ワシントン大)茂呂雄二
    (筑波大)當眞千賀子(九州大学)タイラー・ワーチ(早稲田
     大学)野村侑加(筑波大)徳舛克幸(筑波大)岩木穣(筑波
     大)太田礼穂(筑波大)キム・ウンミ(筑波大)

昼食休憩

午後1  13:15から14:45
 講演G 501室
 James V. Wertsch (Marshall S. Snow Professor in Arts and Sciences. Director, McDonnell International Scholars Academy. Washington University in St. Louis)
     Mediation as a Core Construct in Sociocultural Analysis
  通訳:ソーヤーりえこ(東京都市大学 環境情報学部)

午後2 15:00から17:30
シンポジウム 流動的なメディア社会のバウンダリ―クロッシング  G501室
  企画話題提供 上野直樹(東京都市大学)
  司会     伊藤 崇(北海道大学)
  話題提供   香川秀太(筑波大)
         茂呂雄二(筑波大)
         杉万俊夫(京都大学)
  コメント   森岡正芳(神戸大学)
         永田素彦(京都大学)